STUDIES

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 RESEARCH



型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大により、国境を越えて世界規模のパンデミックとなっている。その中、公共の場におけるマスクの着用は一般常識となり、一部の国では「マスク未着用」という行為に対する法整備を進め、違反者に罰金を伴う罰則も設けている。しかしながら、マスクの長時間の着用による息苦しさ(疲労感)夏場のヒートストローク(熱中症)など、健康被害も問題となりつつある。そこで、本研究ではマスク着用の有無が呼気・吸気の温度、湿度、CO2濃度にどのような影響を及ぼすのか、被験者実測によって明らかにする。また、吸気の温湿度の上昇が人体熱収支に及ぼす影響についても同時に検討する。

被験者実験

トランジュサー

マウスピース

熱画像


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マスク着用時の呼気・吸気特性に関する研究
Evaluation on respiratory characteristics by wearing a face mask
田村聖,李時桓,近藤志樹,金正一
室内環境学会学術論文集,2020.12.


Written by Satoru Tamura, Sihwan Lee, Motoki Kondo, and Jeongil Kim
[BSRG™, Shinshu University]


根面からの日射取得は夏季においては室内温度の上昇の大きな要因となっている。一方で冬季には室内温度上昇に寄与するため、屋根面の適切な日射制御が必要となる。近年では高日射反射率塗料による屋根面の遮熱が促進されており、評価手法も2008年にJIS K 5602「塗膜の日射反射率の求め方」1[1] JIS K 5602 : Determination of reflectance of solar radiation by paint film, Japanese Industrial Standards Committee, 2008.として確立されている。一方で屋根面の反射率による室内温熱環境や省エネルギー効果に関する研究は少ない。本研究は、屋根面の反射率が室内温熱環境と冷暖房負荷に及ぼす影響を把握することを目的とする。


[1] JIS K 5602 : Determination of reflectance of solar radiation by paint film, Japanese Industrial Standards Committee, 2008.


屋根材

長野市住宅街

実測模型

数値解析


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屋根の反射率による室内温熱環境と年間負荷に関する研究
Effect of solar reflectance of roof surface on indoor thermal environment
岡村晃,李時桓
室内環境学会学術論文集,2020.12.


Written by Akira Okamura, and Sihwan Lee
[BSRG™, Shinshu University]


ロナ禍の中、室内空間における感染リスクを低減するためには、適正換気量を確保することが有効である1[1] ASHRAE Epidemic Task Force : Residential building guidance, 2020.と言われている。室内温度差がある場合、窓開放による漏気によって室内換気量を増加させることは可能である。しかし、どの程度窓開放が必要なのか、又は、換気量増加がどの程度室内温熱環境に影響を及ぼすのかに関する研究事例は少ない。そこで本研究では、窓開放による換気量増加がどの程度室内温熱環境に影響を及ぼすのか明らかにすることを目的とし、夏期冷房期間中に実測した結果を報告する。

[1] ASHRAE Epidemic Task Force : Residential building guidance, 2020.


検討対象

トレーラーハウス

機械換気

窓開閉換気


以上の研究に対してもっと詳細な内容が確認したい方は、下記の論文を確認するか、それとも李研究室にお問い合わせください。


窓開閉による夏期の自然換気量増加が室内温熱環境に及ぼす影響
Evaluation on indoor thermal environment with increasing natural ventilation rate
李時桓,岡村晃,近藤志樹

室内環境学会学術論文集,2020.12.


Written by Sihwan Lee, Akira Okamura, and Motoki Kondo
[BSRG™, Shinshu University]


業施設では入店顧客を増やすために、空調を行っているにも関わらず、ドアを開けたままで営業する開門冷房を行う店舗は少なくない。ドアを開放状態で空調を行うと室内外温度差によって発生する漏気が冷房負荷を増加させると共に、冷房装置の効率が下がる原因となる。そこで本研究では、開門冷房によるエネルギー損失量を把握し、エアカーテン、ミスト、暖簾などの設置がどの程度の漏気抑制に効果があるのか検討することで、開門冷房時における省エネ手法・改修方法を提案する。

熱画像

検討対象

店内環境

測定機器


漏気抑制として本研究で取り組んだものは下記に示すエアカーテン、ミスト、暖簾などであり、定量的な計測によりその効果を明らかにする。


エアカーテン

エアカーテン

ミスト

暖簾


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Field measurement and dynamic simulation on the energy loss through door open with air conditioner running in a commercial store
Satoko Yano, and Sihwan Lee
Indoor Air 2020, Paper ID-ABS-0528, 2020.11.


Written by Satoko Yano, and Sihwan Lee
[BSRG™, Shinshu University]


2019年10月13日、台風19号による猛烈な雨の影響で、長野県の千曲川など21河川、24ヵ所で堤防が決壊し、住宅地などで大規模な洪水の被害が各地で発生した。長野市では千曲川の堤防が約70メートルにわたって決壊し、大量の水が住宅地に流れ込んだ。

※ Images source: 産経新聞社



長野市では台風19号により住宅が被災した市民を対象に「建設型仮設住宅」の随時募集を行い、下記の4種類の団地が作られ、令和元年11月26日(火曜日)~空き住戸の終了まで受け付けました。入居期間としては2年間(令和元年12月1日~令和3年11月30日)であり、家賃は無料、光熱水費・自治会費・入居者の過失による修繕費等は入居者が負担するものである。


・上松東仮設団地(木造):32戸
・若槻団地運動広場仮設団地(木造):23戸
・昭和の森公園仮設団地(プレハブ造):45戸
・駒沢新町第2仮設団地(トレーラーハウス):15戸

https://www.city.nagano.nagano.jp/site/hisai/440657.html


仮設住宅の入居者にストレスのない住環境を提供するため、長野市建設部住宅課、長野工業高等専門学校環境都市工学科、信州大学工学部建築学科@環境系グループは約2年間にかけ、仮設住宅の住環境(熱環境・空気環境・音環境)に関する実態調査を行っている。



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Written by Jaeung Hwang, and Sihwan Lee
[BSRG™, Shinshu University]


2020年4月に全面施行となった健康増進法の改正案により、多数の人が利用する様々な施設が原則屋内禁煙となり、受動喫煙を防止する取り組みが強まった。また、現在話題となっている新型コロナウイルス(COVID-19)は、5 μm未満の飛沫核(ここで、飛沫から水分が蒸発したものを飛沫核と呼ぶ)が数時間空気中を漂い続け1[1] World Health Organization : Infection prevention and control of epidemic and pandemic prone acute respiratory infections in health care: WHO Guidelines, p.1-133, 2014.、その粒子を吸い込むことで感染が起きる飛沫核感染2[2] Y. H Chao, M. P. Wan, L. Morawska, G. R. Johnson, Z. D. Ristovski, M. Hargreaves, K. Mengersen, S. Corbett, Y. Li, X. Xie, D. Katoshevski : Characterization of expiration air jets and droplet size distributions immediately at the mouth opening, Journal of Aerosol Science, Vol. 40(2), p.122-133, 2009.という感染ルート(マイクロ飛沫感染)が危険視されている。


受動喫煙やマイクロ飛沫感染など、空気環境の悪化が人体に悪影響を及ぼす問題が多く存在し、喫煙室、トイレ、病室などの汚染物質発生を伴う空間では、汚染物質の漏洩による隣室の空気環境への影響が懸念される。この問題を解決するために第3種換気方式により、室圧を負圧に維持する換気計画が一般的に施されている3[3] 個性労働省労働基準局:職場における喫煙対策のためのガイドライン,厚生労働省基発(代)09001号,2003.が、在室者の居室間移動の際、人体の後流による空気流動が汚染物質の漏洩4[4] 李時桓,奥野詩子,倉渕隆,朴炳龍:ドア開閉及び人体移動が室間換気量に及ぼす影響に関する研究(その1)ドア開き及び人体移動の速度と向きによる室間換気量の数値的検討,日本建築学会大会学術講演梗概集,41336,2014.につながると考えられる。


そこで本研究では、人間の居室間の移動時における隣室への汚染物質漏洩の影響を想定したドア周辺の気流特性の把握および、移動物体の形状の違いによる気流特性や室間漏気量への影響と関係性についての明確化する。


検討領域

CFD解析

煙発生実験

PIV実験


[1] World Health Organization : Infection prevention and control of epidemic and pandemic prone acute respiratory infections in health care: WHO Guidelines, p.1-133, 2014.
[2] Y. H Chao, M. P. Wan, L. Morawska, G. R. Johnson, Z. D. Ristovski, M. Hargreaves, K. Mengersen, S. Corbett, Y. Li, X. Xie, D. Katoshevski : Characterization of expiration air jets and droplet size distributions immediately at the mouth opening, Journal of Aerosol Science, Vol. 40(2), p.122-133, 2009.
[3] 個性労働省労働基準局:職場における喫煙対策のためのガイドライン,厚生労働省基発(代)09001号,2003.
[4] 李時桓,奥野詩子,倉渕隆,朴炳龍:ドア開閉及び人体移動が室間換気量に及ぼす影響に関する研究(その1)ドア開き及び人体移動の速度と向きによる室間換気量の数値的検討,日本建築学会大会学術講演梗概集,41336,2014.


以上の研究についてもっと詳細な情報が必要な方は下記の論文を確認するか、それとも李研究室にお問い合わせください。


Evaluation of air exchange rate by influence of human movement wake
Motoki Kondo, and Sihwan Lee
Indoor Air 2020, Paper ID-ABS-0530, 2020.11.


Written by Motoki Kondo, and Sihwan Lee
[BSRG™, Shinshu University]


射遮蔽ルーバーは、夏季には日射を制御し冷房負荷を軽減、冬季には日射を取得して暖房負荷を軽減する部材である。しかし、日射遮蔽ルーバーは多様な形状、材質、色が存在するし、日射遮蔽効果は時間帯や日射の角度、建物の方角により変動するため、効率良く設計することは困難である。そのため本研究では、日射遮蔽ルーバーの最適設計手法の提案を目的とし、日射遮蔽ルーバーの日射遮蔽効果を定量的に検討する。

それぞれの地球環境問題に対して世界では様々な対策をとっており、建築分野においても消費するエネルギーの削減が求められている。その中で、建物において開口部や屋根面からの日射取得は夏期の冷房負荷増大の大きな要因となっている。Dascalakiら1[1] Dascalaki, E G., Droutsa, K., Gaglia, A G., Kontoyiannidis, S. and Balaras, C A. : Data collection and analysis of the building stock and its energy performance – An example for Hellenic buildings, Energy and Buildings 42, p.1231-1237, 2010.は建物のファザードが環境に及ぼす影響は大きく、建設、不動産分野は炭素排出量削減を目指す社会にとって重要な分野である報告している。近年では日射遮蔽ルーバーや高日射反射塗料などの日射制御を行うパッシブデザインの普及も進んでいる。しかし、下図に示すように設計の段階に工学的な検討を行わないと費用対効果が得られない短所がある。


[1] Dascalaki, E G., Droutsa, K., Gaglia, A G., Kontoyiannidis, S. and Balaras, C A. : Data collection and analysis of the building stock and its energy performance – An example for Hellenic buildings, Energy and Buildings 42, p.1231-1237, 2010.


信州大学

松本図書館

ルーバー有り

ルーバー無し


以上の研究に対してもっと詳細な内容が確認したい方は、下記の論文を確認するか、それとも李研究室にお問い合わせください。


実測とCFDによるルーバーの日射遮蔽効果の検討
A study of solar shading effect of external louver by actual measurement and CFD simulation

岡村晃,李時桓
空気調和・衛生工学会学術講演会学術講演会講演論文集,E-26,p.101-104,2020.09.


Written by Akira Okamura, and Sihwan Lee
[BSRG™, Shinshu University]


年都市の密集・高層化による日射吸収や弱風化、空調などからの人工排熱、道路のコンクリート・アスファルト被膜などの影響でヒートアイランド現象が問題となっている。連続的な熱帯夜に悩まされることが多く、夏期の都会ではエアコンなしでは過ごしづらい環境になっている。このままでは、冷房設備は室内の熱をそのまま大気中に捨てるために、まち全体が暖められてしまう悪循環が断ち切れない。そこで、本研究ではまち全体のエコ及び冷房負荷削減の実現を目標に、ドライミストによる都市冷却効果について明らかにする。

ドライミスト

熱画像

モデリング

数値解析


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街区におけるドライミストの冷却効果とその予測法に関する研究(その1)実測・アンケート調査による温熱環境改善効果の検証
渡邊裕美子,倉渕隆,辻本誠,李時桓,上岡弘明
日本建築学会大会学術講演梗概集,D-2,pp.613-614,2015.09.

街区におけるドライミストの冷却効果とその予測法に関する研究(その2)CFDを用いたドライミスト冷却効果の予測法について
上岡弘明,倉渕隆,辻本誠,李時桓,渡邊裕美子
日本建築学会大会学術講演梗概集,D-2,pp.615-616,2015.09.


Written by Takashi Kurabuchi, and Sihwan Lee
[Tokyo University of Science, Shinshu University]




 STUDIES


気を行う第一の理由は、室間に清浄な空気を供給し、できるだけ効率的に汚染室を取り除くことにある。空気中の汚染室は流動する空気と強くむずび付けられているので、部屋への新鮮空気の供給はある意味では、新鮮さを失った空気や汚染された空気を除去あるいは置換することととらえることができる。直感的には新鮮空気の供給と汚染質の除去は、本質的に同じことである。換気の性能は、基本的には着目するレベル以下に濃度を維持する能力によって評価される。図1において、汚染質は局所的発生源あるいは点発生源Q から発生量 S で放出される。重要な地点は、センサー位置 P で示される居住者の頭部高さでの吸気であろう。

図1. 吸気濃度が低い場合、換気性能は良好(発生源 Q、センサー位置 P


[1] 局所清浄度指数

P における汚染質濃度の値は、公表されている当該汚染質の最大許容濃度(maximum allowable concentration, MAC)の値と比較するのが妥当である。換気風量の判定や他のシステムとの比較には適切に規準化された濃度を使用する方がもっと便利である。排気中の定常濃度は適切な参照値になる。図1の状況では、排気の定常濃度を用いて式[1]の局所清浄度指数(local air quality index)の定義が導かれる。

局所清浄度指数 εPc は、与えられた点で局所汚染質濃度の尺度であり、定常条件下の排気中の汚染質濃度 Ce と定常条件下の室内評価点 P における汚染質濃度 CP との比で定義される。

\epsilon_{\textrm{P}}^{\textrm{c}} = \frac{C_{\textrm{e}}}{C_{\textrm{P}}} \; \cdots \; [1]

[2] 汚染質除去効率

図2に示すように、実際の居住者の位置が不明な場合や全体値のみに関心がある場合には、与えられた発生位置に対して部屋全体の効率が計算される。部屋全体の平均定常濃度が分かっている場合、式[2]の汚染質除去効率(contaminant removal effectiveness, CRE)の定義が導かれる。

汚染質除去効率 εc は、空気中の汚染質がどのくらい速く室内から除去されるかを表す尺度であり、定常条件下の排気中の汚染質濃度 Ce と定常条件下の室平均汚染質濃度 <C > との比で定義される。

\epsilon^{\textrm{c}} = \frac{C_{\textrm{e}}}{\left \langle {C} \right \rangle} \; \cdots \; [2]

図2. センサーの位置は特に与えられていない。代わりに、一つの決められた発生源 Q からの汚染質がどの程度効果的に除去されるかを評価するために部屋の平均濃度が使用される。


入れ替る空気量が qv の場合、給気 Cs と排気 Ce の間の濃度上昇は、定常状態では単純な質量収支により式[3]で表される。

C_{\textrm{e}} = \frac{S}{q_{\textrm{v}}} + C_{\textrm{s}} \; \cdots \; [3]

[3] 局所空気交換指数

時には、発生源が部屋中を動いたり、発生源の位置が不明な場合がある。その場合には図3に示されているように、ある一つのセンサー P に対して一様な汚染質発生源の分布が妥当性をもつかもしれない。これは局所空気齢の概念であり、式[4]で定義される局所空気交換指数に対応する。

局所空気交換指数 εPa は、特定の位置の状態を特徴つけるものであり、測定地点である室中の位置によって大きな値を取りうる。局所空気交換指数は、名目換気時間 τn と点 P での局所平均空気齢 τP との比で定義される。

\epsilon_{\textrm{P}}^{\textrm{a}} = \frac{C_{\textrm{e}}}{C_{\textrm{P}}} = \frac{{\tau}_{\textrm{n}}}{\bar{\tau}_{\textrm{P}}} \; \cdots \; [4]

図3. 発生源は部屋全体に一様に分布し、濃度は点 P で測定される(局所空気齢の概念)。


[4] 空気交換効率

図4に示すように発生源 Q もセンサー P も特定されない場合でも式[5]で定義される空気交換効率による全体評価が可能である。

空気交換指数 εa は、室空気全体の最短の空気交換時間、つまり、名目換気時間 τn と実際の空気交換時間 τr との比で定義される。また、最小の空気交換時間 τn/2 と室平均空気齢<τ>との比としても定義することができる。

\epsilon^{\textrm{a}} = \frac{{\left \langle {C} \right \rangle}_{\textrm{min}}}{\left \langle {C} \right \rangle} = \frac{{\tau}_{\textrm{n}}}{2{\left \langle {\bar{\tau}} \right \rangle}} \; \cdots \; [5]

図4. 汚染質発生源は一様に分布し、室の平均濃度にだけ着目する。これは室の平均空気齢の概念を導く。




Reference – Elisabeth Mundt(ed.), Hans Martin Mathisen, Peter V. Nielsen, Alfred Moser: Ventilation Effectiveness, REHVA Guidebook No.2, REHVA, 2004.
[REHVA – Federation of European Heating and Air-conditioning Associations]


内空間における汚染質の時系列変化を定量的に予測することは、室内空気環境を向上させるために非常に重要なことである。特に室内で発生する汚染質を除去するための換気量計算、室内空気を清掃する空気清掃機の効果検討、時々刻々変化する自然換気量の予測・評価に必要な技術であり、ここでは非定常濃度方程式の導出過程を簡単に説明する。

図1に単室における汚染質の体積バランスの概念図を示す。

図1. 汚染質の体積バランス


図1を一つの系として考え、室内の汚染質総量 CV [m3/m3]の変化量である d(CV )、又はVdC に影響する要素を分類化すると、① 流入空気による輸送(+C0Qdt )、② 流出空気による輸送(-CQdt )、③ 内部発生(+Mdt )に分けることができる。この体積バランスを整理すると、式[1]のような非定常濃度方程式が得られる。

VdC = -(CQ-C_{0}Q-M)dt \; \cdots \; [1]

式[1]は1階微分方程式であり、解くために変数分離を行うと下記の式[2]に整理できる。

\frac{dC}{C-C_{0}-M/Q} = -\frac{Q}{V}dt \; \cdots \; [2]

変数分離を行った式[2]を用い、時刻t = 0の時の室内濃度をCsと置いて、t = 0 ~ t で積分すると式[3]と式[4]に表すことができる。

\int_{C_{s}}^{C}\frac{dC}{C-C_{0}-M/Q} = -\int_{0}^{t}\frac{Q}{V}dt \; \cdots \; [3]
log_{e}\frac{C-C_{0}-M/Q}{C_{s}-C_{0}-M/Q} = -\frac{Q}{V}t \; \cdots \; [4]

以上の式から室内濃度C に関する非定常濃度方程式を求めると、下記の式[5]として整理できる。

C = C_{0}+(C_{s}-C_{0})e^{-\frac{Q}{V}t}+\frac{M}{Q}\cdot (1-e^{-\frac{Q}{V}t}) \; \cdots \; [5]


【応用例題】
幅5 m、奥行8 m、高さ2.5 mの室に10人が同時に入室し、4時間滞在後にそろって退室した。この時の室内CO2濃度の推移を求めよ。ただし、外気中CO2濃度および室内CO2初期濃度は400 ppm、人体からのCO2発生量は20 L/h・人であり、この室の換気量は200 m3/hとする。


【回答】
この問題は式[5]を用いて検討すれば良いのですが、実際の計算では、
N = Q / VΔC = CC0、 ΔCs = CsC0 とおいて下記の式[6]に変換し、Nt の変化によるΔC の変化を求め、C = C0 + ΔC から計算する。

\Delta C = \Delta C_{s}e^{-Nt}+\frac{M}{Q}\cdot (1-e^{-Nt}) \; \cdots \; [6]

例題の条件からそれぞれの値を検討すると、
・ΔCs = 400 – 400 = 0 [ppm](初期濃度差)

M / Q = (20 × 10-3 × 10) / 200 = 1000 [ppm](定常濃度差)
N = Q / V = 200 / (5 × 8 × 2.5) = 2.0 [回/h](換気回数)
になり、下記の非定常方程式(式[7])が成り立つ。

\Delta C = 1000\cdot (1-e^{-2t}) \; \cdots \; [7]

式[7]を用いてt = 0 ~ 4 [h]の区間におけるC 値を求めると、下記のように計算でき、室内CO2濃度の時系列変化が確認できる。

時間 0.00 0.10 0.20 0.50 1.00 2.00 4.00
t 0.00 0.10 0.20 0.50 1.00 2.00 4.00
Nt 0.00 0.20 0.40 1.00 2.00 4.00 8.00
e-Nt 1.00 0.82 0.67 0.37 0.14 0.02 0.00
1-e-Nt 0.00 0.18 0.33 0.63 0.86 0.98 1.00
C 400 580 730 1030 1260 1380 1400

続けて4時間後、室内汚染質M が0になると、
・ΔCs = 1400 – 400 = 1000 [ppm](初期濃度差)

M / Q = 0 / 200 = 0 [ppm](定常濃度差)
N = Q / V = 200 / (5 × 8 × 2.5) = 2.0 [回/h](換気回数)
になり、下記の非定常方程式(式[8])が成り立つ。

\Delta C = 1000\cdot e^{-2t} \; \cdots \; [8]

式[8]を用いてt = 4 ~ 8 [h]の区間におけるC 値を求めると、下記のように計算でき、室内CO2濃度の時系列変化が確認できる。

時間 4.00 4.10 4.20 4.50 5.00 6.00 8.00
t 0.00 0.10 0.20 0.50 1.00 2.00 4.00
Nt 0.00 0.20 0.40 1.00 2.00 4.00 8.00
e-Nt 1.00 0.82 0.67 0.37 0.14 0.02 0.00
1-e-Nt 0.00 0.18 0.33 0.63 0.86 0.98 1.00
C 1400 1220 1070 770 540 420 400

以上の結果を纏めてグラフ化すると、下記の図2のように示され、室内CO2濃度の時系列変化が確認できる。

 図2. 室内CO2濃度の時系列変化



Written by Sihwan Lee
[Assistant Professor, Shinshu University]


PMV(Predicted Mean Vote、予想平均温冷感申告)は、人間の感覚量から物理的考察に基づいて温熱快適性を表示したものであり、1967年にデンマーク工科大学のPovl Ole Fanger (July 16, 1934 – September 20, 2006)によって提唱された。人体の定常熱収支式(式[1]参照)と、温冷感や快適感に関する被験者実験結果を基に導出された温熱指標で、PMV=0の時、快適と感じる人の割合が最大になる。温熱環境の設計では、空調対象室の居住域全域でPMVが±0.5の範囲内に収まるように留意する必要がある。

{M}-{W}-{E}_{\textrm{d}}-{E}_{\textrm{sw}}-{E}_{\textrm{res}}-{C}_{\textrm{res}} = {K} = {R}+{C} \; \cdots \; [1]

ここで、M は代謝率 [W/m2]、W は外部仕事 [W/m2]、Ed は皮膚からの不感蒸泄 [W/m2]、Esw は発刊による皮膚からの潜熱損失 [W/m2]、Eres は呼吸による潜熱損失 [W/m2]、Cres は呼吸による顕熱損失 [W/m2]、K は皮膚表面から着衣状態の人体表面への伝熱量 [W/m2]であり、R は人体表面から外部環境への放射熱損失 [W/m2]、C は人体表面から外部環境への対流熱損失 [W/m2]である。



しかし、この式は単なる人体の熱収支式であり、これを待たすだけでは必ずしも快適とはならない。Fangerは被験者実験から得られたデータを基に、快適となる条件として生理学的変数である平均皮膚温tskと、発汗蒸発による放熱量Esw が次の式[2]、式[3]を満たす必要があるとしている。

{t}_{\textrm{sk}} = 35.7 - 0.028({M}-{W}) \; \cdots \; [2]
{E}_{\textrm{sw}} = 0.42({M}-{W}-58.15) \; \cdots \; [3]

式[1]のMW 以外の項を室温t [°C]、水蒸発分圧pa [kPa]、風速v [m/s]、平均放射温度tmrt [°C]、clo値Icl [clo]、平均皮膚温tsk [°C]などの関数として表し、式[2]、式[3]を用いて平均皮膚温tsk と発汗蒸発による放熱量Esw を消去すると、式[4]の関数形となる快適方程式が得られる。

{f}({M}-{W}, {I}_{\textrm{cl}}, {t}, {t}_{\textrm{mrt}}, {p}_{\textrm{a}}, {v} ) \; \cdots \; [4]

したがって、快適となる温熱環境はこの6変数(人間側2変数(M W [W/m2]、Icl [clo])、環境側4変数(t [°C]、tmrt [°C]、pa [kPa]、風速v [m/s]))の組み合わせとして無数に存在することになる。



快適条件から外した温熱環境では、快適方程式[4]の右辺が0にならず、ある値QL [W/m2]をとる。FangerはこのQL を人体に対する熱負荷と呼んで、この値が大きいほど不快感が増すと考え、多くの被験者(約1300 人)を使った実験結果を基に、式[5]のようにPMVと関係つけている。

PMV = (0.303e^{-0.036M}+0.028)Q_L \; \cdots \; [5]

この式のQL を具体的に書き表すと式[6]となり、この式を式[5]に入れることでPMVの値を計算することができる。

\begin{aligned}
{Q}_{\textrm{L}} = & [({M}-{W})\
& -
3.05 \left \{ 5.73-0.007(M-W)-{p}_{\textrm{w}} ) \right \} \
& -
0.42 \left \{(M-W)-{p}_{\textrm{w}}-58.15 ) \right \} \
& -
0.0173M(5.87 - {p}_{\textrm{w}}) \
& -
0.0014M(34 - {t}) \
& -
3.96\times {10}^{-8}{f}_{\textrm{cl}}  \left \{ ({t}_{\textrm{cl}}+273)^{4} -({t}_{\textrm{mrt}}+273)^{4} \right \} \
& -
{f}_{\textrm{cl}} {h}_{\textrm{c}}({t}_{\textrm{cl}}-{t})] \
\end{aligned}
 \; \cdots \; [6]

ここで、fcl [-]は着衣状態の体表面積と裸体表面式の割合、tcl [°C]は衣服表面温度、hc [W/m2K]は対流熱伝達率である。


※ ISO規格にはBASICコードも公開されているので、ご参照ください。
ISO 7730, 2005 : Ergonomics of the thermal environment — Analytical determination and interpretation of thermal comfort using calculation of the PMV and PPD indices and local thermal comfort criteria


一方、PMVの測定高さについて1点のみ計測する時は、椅座の人体に対しては床上0.6 mで、立っている人体に対しては1.0 mで測定する。3点測定する時は、椅座の場合、床上0.2, 0.6, 1.0 mで、立っている場合は、0.3, 1.0, 1.7 mの高さでPMVを求め、その平均値をとることをFangerは勧めている。



Reference – Thermal comfort: Analysis and applications in environmental engineering, 1970
[P. O. Fanger (July 16, 1934 – September 20, 2006)]


ADPI(Air Diffusion Performance Index、空気拡散性能係数)は、冷・暖房された室内空間の快適状態を定量化するために開発された指標であり、有効ドラフト温度(Effective Draft Temperature、略してEDT)を基にして計算される。



EDT は、人体周りの気流移動と空気温度による生理学影響を組み合わせ、室内の各ポイントでの快適さを定量化したものである。冷却条件では式[1]を用いて計算されるが、Koestel and Tuve(1955)1[1] Koestel, A., and G.L. Tuve : Performance and evaluation of room air distribution systems. ASHRAE Transactions 61:533, 1955.の論文によると、Rydberg and Norback(1949)2[2] Rydberg, J., and P. Norback : Air distribution and draft, ASHVE Transactions 55:225, 1949.によって提案され、Straub et al. (1956)3[3] Straub, H.E., S.F. Gilman, and S. Konzo : Distribution of air within a room for year-round air conditioning – Part I. University of Illinois Engineering Experiment Station Bulletin 435, 1956.、Straub and Chen(1957)4[4] Straub, H.E., and M.M. Chen : Distribution of air within a room for year-round air conditioning – Part II. University of Illinois Engineering Experiment Station Bulletin 442, 1957.によって修正されたと述べられている。

{t}_{\textrm{ed}} = ({t}_{\textrm{x}}-{t}_{\textrm{c}})-8.0({v}_{\textrm{x}}-0.15) \; \cdots \; [1]

ここで、ted は有効ドラフト温度 [K]、tx はx地点における局所空気温度 [K]、tc は平均室内温度 [K]、vx はx地点における局所気流速度 [m/s]である。



Liu and Novoselac(2015)5[5] Liu, S., and A. Novoselac : Air diffusion performance index (ADPI) of diffusers for heating mode. Building and Environment 87:215-223, 2015.は、ASHRAE Standard 55で指定された予想平均温冷感申告(PMV)モデルに基づいて、暖房条件に適した有効ドラフト温度を提案した。暖房された空気の拡散が不十分で、高い垂直温度勾配が発生すると、給気流が停滞し、呼吸領域の許容換気量も確保できなくなる。

{t}_{\textrm{ed}} = ({t}_{\textrm{x}}-{t}_{\textrm{c}})-9.1({v}_{\textrm{x}}-0.15) \; \cdots \; [2]


冷房時におけるADPIは式[1]によって計算されるEDTが-1.7~+1.1 [K]の範囲内であるパーセンテージであり、暖房時におけるADPIは式[2]によって計算されるEDTが-2.2~+2.0 [K]の範囲内であるパーセンテージである。また、許容気流速度は0.36 m/s以下であることと定義されている。



[1] Koestel, A., and G.L. Tuve : Performance and evaluation of room air distribution systems. ASHRAE Transactions 61:533, 1955.
[2] Rydberg, J., and P. Norback : Air distribution and draft, ASHVE Transactions 55:225, 1949.
[3] Straub, H.E., S.F. Gilman, and S. Konzo : Distribution of air within a room for year-round air conditioning – Part I. University of Illinois Engineering Experiment Station Bulletin 435, 1956.
[4] Straub, H.E., and M.M. Chen : Distribution of air within a room for year-round air conditioning – Part II. University of Illinois Engineering Experiment Station Bulletin 442, 1957.
[5] Liu, S., and A. Novoselac : Air diffusion performance index (ADPI) of diffusers for heating mode. Building and Environment 87:215-223, 2015.


Reference – ASHRAE Handbooks 2019, Chapter 58. Room air distribution
[American Society of Heating and Air-Conditioning Engineers]


力場では重い流体の中で軽い流体を上に押し出す純粋な力がある。流体に完全に若しくは部分的に沈んでいた物体が流体によって上に作用する力を浮力と言います。この浮力の大きさは物体によって排除された流体の重さと一致する。

{F}_{\textrm{bouyancy}} = {\rho}_{\textrm{fluid}} g {V}_{\textrm{body}}

ここで、Fbouyancyは物体に作用する浮力、ρfluidは流体(物体ではない。)の平均密度、gは重力加速度、Vbodyは流体に沈んでいる物体の体積(流体に完全に沈んでいた物体の場合は物体の総体積である。)である。


外力が作用しないと物体に作用する純垂直力は物体の重さと浮力の差である。

\begin{aligned}
{F}_{\textrm{net}} &= W - {F}_{\textrm{buoyancy}}\
&=  {\rho}_{\textrm{body}} g {V}_{\textrm{body}} -  {\rho}_{\textrm{fluid}} g {V}_{\textrm{body}}\
&=  ({\rho}_{\textrm{body}} - {\rho}_{\textrm{fluid}}) g {V}_{\textrm{body}} 
\end{aligned}

ここで、Fnetは物体に作用する純垂直力、Wは物体の重さ、ρbodyは物体の平均密度である。


このように流体に沈んだ物体は、その物体により排除された流体の重さほど軽くなる。これがArchimedesの原理として知られている。


浮力の効果を良く理解するため、水の中に卵を入れて見ましょう。卵の平均密度が水の密度より高い(新鮮)と、卵は容器のに沈んでしまいます。この状態で塩を水に入れ、塩水を作って見ると徐々に卵が浮き始めます。塩水は水より密度が高くなり、卵よりも密度が高いからでしょう。

浮きました!Eureka!! (( _ _ ))b..zzzZZ


Written by Sihwan Lee
[Assistant Professor, Shinshu University]


Six types of tracer gas as listed in Table are used to measure the ventilation rate in a zone.


Type of gas Helium a Carbon dioxide b Sulfur hexafluoride c
Chemical symbol He CO2 SF6
Measurement method GC-TCD Infrared absorption & FID & GC GC-ECD Infrared absorption GC
Example of lower limit detection 300×10-6 0.1×10-6 70×10-6 0.001×10-6
Permissible concentration 5,000×10-6 1,000×10-6
Relative density against air [-] 0.138 1.545 5.302
Global warming potential (GWP) 1 23,900

Type of gas Perfluoro carbon d Ethylene e Nitrogen monoxide f
Chemical symbol CF4(PFC-14)
C2F6(PFC-16)
C2H4 N2O
Measurement method GC-ECD Infrared absorption & FID & GC Infrared absorption
Example of lower limit detection 0.1×10-6 0.1×10-6
Permissible concentration 25×10-6
Relative density against air [-] Example,
PFC-14: 3.06
PFC-16: 4.80
0.974 1.53
Global warming potential (GWP) Example,
PFC-14: 6,500
PFC-16: 9,200
310

<NOTE 1> In addition to those gases above, nitrogen, carbon monoxide, ethane, methane, isobutene, cyclobutanoctofluoride, Bromomethanetrifluoride, dichlorodifluoridemethane, and ichlorotetrafluoridemethane can be also used as tracer gas.
<NOTE 2> The GC in the table indicates general Gas Chromatography, the GC-TCD is the gas chromatography using Thermal Conductivity Detector and GC-ECD using Electron Capture Detector.
<NOTE 3> The Global Warming Potential is defined as relative green house effect potential per weight against carbon dioxide.
<NOTE 4> Infrared gas absorption includes both TS (transmission spectroscopy) and PAS (photoacoustic spectroscopy).


[a] Helium is chemically stable.
[b] CO2 is dissolved in water and can be adsorbed with building materials or furniture, and is not suited for precise measurement. However, if the measurement does not require critical accuracy, CO2 is often used. CO2 generated by occupants or any other internal source shall be taken into account. If this CO2 emission rate is not known, this tracer cannot be used.
[c] SF6 has a large global warming potential and should not be used in a large amount. SF6 is an inactive gas. If it is heated to 500 °C it generates toxic gases. Therefore, it should not be used in a space where a fan heater is used and SF6 flows through the heat source.
[d] PFC has a large Global Warming Potential and should not be used in large amounts.
[e] Ethylene is flammable and should be handled with a great care.
[f] N2O has a large Global Warming Potential and should not be used in large amounts. N2O is dissolved in water, and reacts with aluminium. It ignites at a high temperature. Great care must be exercised not to use it over its permissible concentration as it affects health.


Reference – ISO 12569:2017
[International Organization for Standardization]


内濃度を常に目標値で一定にするため、トレーサーガスの注入量を制御して換気量を測定する方法である。室内濃度が均一に混合されなくても複数の注入点と測定点を設けることで、濃度分布を均一にすることができる。トレーサーガスの注入量を制御するには、特別な装置が必要であり、良く活用する測定機器はマルチガスモニターとサンプラーである。


適用される基本式は次式である。また、分かりやすく説明するためにバックグラウンド濃度を0と扱っている。

\begin{aligned}
0 = \frac{{dV}_{\textrm{gas}}({T})}{dt} = m(t)-{C}_{\textrm{target}}Q(t)
\end{aligned}

ここで、Ctargetは一定濃度法のための目標値 [m3/m3]、Q(t)t 時間における換気量 [m3/h]、m(t)t 時間におけるトレーサーガスの注入量 [m3/h]である。

\begin{aligned}
Q(t) = \frac{{m(t)}}{{C}_{\textrm{target}}}
\end{aligned}

Reference – ISO 12569:2017
[International Organization for Standardization]


内で発生した代謝熱は、顕熱として対流と放射によって、そして潜熱として蒸発により、皮膚と肺を介して周囲環境へ放散される。潜熱は、体の熱を吸収して水分が肺や皮膚で蒸発する際の水の気化熱を表しており、冷たい表面で水分が凝縮すると、潜熱が放出される。吸入した空気の加温は顕熱の伝達を表し、肺で吸入された空気の温度上昇に比例する。体から熱損失の合計率は下記の式で表せられる。

[Mechanisms of heat loss from the human body]

\begin{aligned}
\dot{Q}_{\textrm{body, total}} &= \dot{Q}_{\textrm{skin}}+\dot{Q}_{\textrm{lungs}}\
&= (\dot{Q}_{\textrm{sensible}}+\dot{Q}_{\textrm{latent}})_{\textrm{skin}}+(\dot{Q}_{\textrm{sensible}}+\dot{Q}_{\textrm{latent}})_{\textrm{lungs}}\
&= (\dot{Q}_{\textrm{conv}}+\dot{Q}_{\textrm{rad}}+\dot{Q}_{\textrm{latent}})_{\textrm{skin}}+(\dot{Q}_{\textrm{conv}}+\dot{Q}_{\textrm{latent}})_{\textrm{lungs}}
\end{aligned}

したがって、解析のみによる体からの熱伝達を決定するのは困難である。衣服は体からの熱伝達をさらに複雑にするため、実験データに頼らなければならない。定常状態における体からの総熱伝達率は変化する代謝熱発生率に等しく、軽い事務作業で約100 Wから重い肉体労働で約1000 Wまで変化する。


皮膚からの顕熱損失は、皮膚温度、環境、周囲の表面、および空気の流れに依存する。一方、潜熱損失は、皮膚の湿り度と環境の相対湿度に依存する。衣類は断熱材として機能し、顕熱損失と顕熱損失の両方を軽減させる。肺から呼吸までの熱伝達は呼吸頻度と肺の容積のみながず、皮膚からの熱伝達に影響を与える環境要因により異なる。


衣服を着た皮膚からの顕熱は、最初に衣​​服に伝わり、次に衣服から環境に伝わる。服を着た外面からの対流と輻射の熱損失は下記の式で表せられる。

\begin{aligned}
\dot{Q}_{\textrm{conv}} &= {h}_{\textrm{conv}}{A}_{\textrm{clothing}}({T}_{\textrm{clothing}}+{T}_{\textrm{ambient}})\
\dot{Q}_{\textrm{rad}} &= {h}_{\textrm{rad}}{A}_{\textrm{clothing}}({T}_{\textrm{clothing}}+{T}_{\textrm{surr}})
\end{aligned}

また、人の周囲のさまざまな表面の温度は異なり、Tsurrは平均放射温度を表しす。平均放射温度は、人体との放射熱交換と放射熱交換が等しくなる仮想温度である。ほとんどの衣類や建築材料は黒体であり、異なる温度のN面で構成されるエンクロージャーの平均放射温度は次式で求められる。

\begin{aligned}
T_{\textrm{surr}} \cong  {F}_{\textrm{person-1}}{T}_{\textrm{1}}+{F}_{\textrm{person-2}}{T}_{\textrm{2}}+\cdots +{F}_{\textrm{person-}N}{T}_{N}
\end{aligned}

ここで、Ti は表面iの温度であり、Fperson-i は人体と表面の間の形態係数(view factor)である。


総顕熱損失は、対流と放射熱損失を次式のように組み合わせることによって便利に表すことができる。

\begin{aligned}
\dot{Q}_{\textrm{conv+rad}} &= {h}_{\textrm{combined}}{A}_{\textrm{clothing}}({T}_{\textrm{clothing}}+{T}_{\textrm{operative}})\
&= ({h}_{\textrm{conv}}+{h}_{\textrm{rad}}){A}_{\textrm{clothing}}({T}_{\textrm{clothing}}+{T}_{\textrm{operative}})
\end{aligned}

ここで、作用温度(operative temperature)Toperative は対流と放射熱伝達を考慮して決定した周囲温度と平均放射温度の平均値であり、次式で求められる。

\begin{aligned}
T_{\textrm{operative}} &= \frac{{h}_{\textrm{conv}}{T}_{\textrm{ambient}}+{h}_{\textrm{rad}}{T}_{\textrm{surr}}}{{h}_{\textrm{conv}}+{h}_{\textrm{rad}}} \cong  \frac{{T}_{\textrm{ambient}}+{T}_{\textrm{surr}}}{2}
\end{aligned}

作用温度は、対流と放射熱伝達係数が等しい場合の周囲温度と周囲の表面温度の算術平均値である。また、熱快適性分析で使用される別の環境指標は、温度と湿度の影響を組み合わせた有効温度である。同じ有効温度の2つの環境は、温度と湿度が異なっていても、人の熱反応は同じくなる。


衣服の熱伝達は次式を用いて求められる。

\begin{aligned}
\dot{Q}_{\textrm{conv+rad}} &= \frac{{A}_{\textrm{clothing}}({T}_{\textrm{skin}}+{T}_{\textrm{clothing}})}{{R}_{\textrm{clothing}}}
\end{aligned}

ここで、Rclothing は(m2・K)/Wで表した衣服の単位熱抵抗であり、皮膚と衣服の外表面との間の伝導、対流、および放射の複合効果を含む。衣類の熱抵抗は通常、cloの単位で表され、1 clo = 0.155 (m2・K)/Wである。ズボン、長袖シャツ、長袖セーター、およびTシャツの熱抵抗は、1.0 clo、または0.155 (m2・K)/Wである。薄手のスラックスや半袖シャツなどの夏の服の断熱値は0.5 cloであるが、厚手のスラックス、長袖シャツ、セーターやジャケットなどの冬の服の断熱値は0.9 cloとなる。

そうすると総顕熱損失は、不便な衣服温度ではなく、次式のように皮膚温度で表すことができる。

\begin{aligned}
\dot{Q}_{\textrm{conv+rad}} &= \frac{{A}_{\textrm{clothing}}({T}_{\textrm{skin}}+{T}_{\textrm{operative}})}{{R}_{\textrm{clothing}}+\cfrac{1}{{h}_{\textrm{combined}}}}
\end{aligned}

熱的快適状態では、体の平均皮膚温度は33 °Cであると観察されており、皮膚温度が±1.5 °C程度変動しても不快感はない。これは、体が服を着ているか、服を脱いでいるかにも関係ない。


皮膚からの蒸発熱または潜熱の損失は、皮膚と周囲空気の水蒸気圧、皮膚の湿り度との差に比例する。これは、汗の蒸発と皮膚を通る水拡散の複合効果によるもので、次式のように表すことができる。

\begin{aligned}
\dot{Q}_{\textrm{latent}} &= \dot{\mu}_{\textrm{vapor}}{h}_{fg}
\end{aligned}

蒸発による熱損失は、皮膚が完全に濡れているときに最大となる。また、衣服は蒸発に対して抵抗力を持ち、衣服の体内での蒸発速度は衣服の透湿性に依存する。平均的な男性の最大蒸発速度は約1 L/h (0.3 g/s)であり、蒸発冷却速度の上限は730 Wである。暑い日のトレーニング中に1時間あたり2 kgの水を失う可能{“type”:”block”,”srcIndex”:32,”srcClientId”:”10bc0480-0650-42b2-b767-830430ff06a6″,”srcRootClientId”:””}性があり、余分な汗は蒸発せずに皮膚表面から滑り落ちる。


呼吸中、吸い込まれた空気は周囲条件で入り、吐き出される空気は深部体温に近い温度でほぼ飽和状態のままとなる。したがって、体は対流による顕熱と肺からの蒸発による潜熱の両方を失う。これらは次式のように表すことができる。

[Metabolic heat generated in the body]

\begin{aligned}
\dot{Q}_{\textrm{conv, lungs}} &= {\dot{m}}_{\textrm{air, lungs}}{c}_{p \textrm{, air}}({T}_{\textrm{exhale}}+{T}_{\textrm{ambient}})\
\dot{Q}_{\textrm{latent, lungs}} &= {\dot{m}}_{\textrm{vapor, lungs}}{h}_{fg} = {\dot{m}}_{\textrm{air, lungs}}({\omega}_{\textrm{exhale}}+{\omega}_{\textrm{ambient}}){h}_{fg}
\end{aligned}

肺への空気摂取率は、代謝率に正比例する。呼吸による肺からの総熱損失率は、おおよそ次式のように表すことができる。

\begin{aligned}
\dot{Q}_{\textrm{conv+latent, lungs}} &= 0.0014{\dot{Q}}_{\textrm{met}}(34-{T}_{\textrm{ambient}})\
& \; \; \; + 0.0173 {\dot{Q}}_{\textrm{met}}(5.87-{P}_{v \textrm{, ambient}})
\end{aligned}

ここで、Pv, ambientはkPaで表す蒸気圧である。

顕熱の割合は、重労働で約40%から軽作業で約70%まで変化する。残りのエネルギーは、潜熱の形で発汗することにより体から排出される。


Written by Yunus A. Çengel
[Professor, University of Nevada]


次元化(Non-dimensional Parameters)とは、変数をある定数で割ることにより、次元をもたない変数に変えること。物理現象を数式化する場合、変数を実際の物理量で表すより代表物理量との比で表したほうが便利なことが多い。流体力学、熱伝達分野における良く使われる無次元数を下記に示す。



[1] Archimedes number

アルキメデス数(Archimedes number)は、水流のもつ浮力と運動量との割合を示す。

\begin{aligned}
\textrm{Ar} &= \frac {\rho_{s}gL^{3}\left ( \rho_{s}-\rho \right )}{\mu^{2}}
\rightarrow \; \frac{\textrm{Gravitational force}}{\textrm{Viscous force}}
\end{aligned}

[2] Aspect ratio

アスペクト比(aspect ratio)は、矩形における長辺と短辺の比率。

\begin{aligned}
\textrm{AR} &= \frac {L}{W}\; \textrm{or} \; \frac {L}{D}
\rightarrow \; \frac{\textrm{Length}}{\textrm{Width}}\; \textrm{or} \;\frac{\textrm{Length}}{\textrm{Diameter}}
\end{aligned}

[3] Biot number

ビオ数(Biot number)は、伝熱に関する無次元量であり、固体内部の熱伝導と表面からの熱伝達量の比率である。

\begin{aligned}
\textrm{Bi} &= \frac {hL}{k}
\rightarrow \; \frac{\textrm{Surface thermal resistance}}{\textrm{Internal thermal resistance}}
\end{aligned}

[4] Bond number

ボンド数(Bond number)は、浮力と表面張力の比を表す無次元量である。液中の液滴、気泡などの解析に用いられる。エトベス数(Eötvös number)とも呼ばれる。

\begin{aligned}
\textrm{Bo} &= \frac {g\left ( \rho _{f}-\rho _{v} \right )L^{2}}{\sigma _{s}}
\rightarrow \; \frac{\textrm{Gravitational force}}{\textrm{Surface tension force}}
\end{aligned}

[5] Cavitation number

キャビテーション数(Cavitation number)は、流体力学において、キャビテーションの解析に用いられる無次元数である。主にポンプ、水配管や油圧機器など、液体を用いる流体機械の解析で用いられる。

\begin{aligned}
\textrm{Ca} &= \frac {P - P_{v}}{\rho V^{2}}
\rightarrow \; \frac{\textrm{Pressure - Vapor pressure}}{\textrm{Inertial pressure}}
\end{aligned}

[6] Darcy friction factor

摩擦損失係数(Darcy friction factor)は、流体力学でのダルシー・ワイスバッハの式に使われる無次元数であり、配管流れや開水路流れでの流体エネルギーの摩擦損失を記述している。基本的な流れであり、産業的にも重要であるため、数多くの式が提案されている。

\begin{aligned}
f &= \frac {8 \tau_{w*}}{\rho V^{2}}
\rightarrow \; \frac{\textrm{Wall friction force}}{\textrm{Inertial force}}
\end{aligned}

[7] Drag coefficient

抗力係数(Drag coefficient)は、空気や水などの流体環境でのオブジェクトの抗力または抵抗を定量化するために使用される無次元の量である。

\begin{aligned}
C_{D} &= \frac {F_{D}}{1/2 \rho V^{2}A}
\rightarrow \; \frac{\textrm{Drag force}}{\textrm{Dynamic force}}
\end{aligned}

[8] Eckert number

エッカート数(Eckert number)は、連続体力学における無次元数である。ある物体から十分離れた点における流体速度の二乗を、流体の比熱と、物体と流体間の温度差の積で割った値であり、物体周辺における圧縮性流体の挙動の研究に必要な定数である。

\begin{aligned}
\textrm{Ec} &= \frac {V^{2}}{c_{P}T}
\rightarrow \; \frac{\textrm{Kinetic energy}}{\textrm{Enthalpy}}
\end{aligned}

[9] Euler number

\begin{aligned}
\textrm{Eu} &= \frac {\Delta P}{\rho V^{2}}
\rightarrow \; \frac{\textrm{Pressure difference}}{\textrm{Dynamic pressure}}
\end{aligned}

[10] Fanning friction factor

ファニング摩擦係数(Fanning friction factor)は、連続体力学計算でローカルパラメータとして使用される無次元数である。局所せん断応力と局所流動運動エネルギー密度の比率として定義される。

\begin{aligned}
C_{f} &= \frac {2\tau_{w}}{\rho V^{2}}
\rightarrow \; \frac{\textrm{Wall friction force}}{\textrm{Inertial force}}
\end{aligned}

[11] Fourier number

フーリエ数(Fourier number)は、過渡的な熱伝導を特徴付ける無次元数である。概念的には、拡散または伝導輸送速度と量の貯蔵速度の比である。

\begin{aligned}
\textrm{Fo} &= \frac {\alpha t}{L^{2}}
\rightarrow \; \frac{\textrm{Physical time}}{\textrm{Thermal diffusion time}}
\end{aligned}

[12] Froude number

フルード数(Froude number)は、流体の慣性力と重力の比を表す無次元量。主に造波抵抗の分析のために用いられる。

\begin{aligned}
\textrm{Fr} &= \frac {V}{\sqrt{gL}}
\rightarrow \; \frac{\textrm{Inertial force}}{\textrm{Gravitational force}}
\end{aligned}

[13] Grashof number

グラスホフ数(Grashof Number)は、伝熱現象、物質移動現象に関して、流れ場における粘性力に対する浮力の相対的な影響を示す無次元量であり、自然対流を特徴付ける指標となる。

\begin{aligned}
\textrm{Gr} &= \frac {g \beta | \Delta T | L^{3} \rho^{2}}{\mu^{2}}
\rightarrow \; \frac{\textrm{Bouyancy force}}{\textrm{Viscous force}}
\end{aligned}

[14] Jakob number

ヤコブ数(Jakob Number)は、熱面の過熱による顕熱と蒸発潜熱の比である。

\begin{aligned}
\textrm{Ja} &= \frac {c_{p}\left ( T - T_{sat} \right ) }{h_{fg}}
\rightarrow \; \frac{\textrm{Sensible energy}}{\textrm{Latent energy}}
\end{aligned}

[15] Knudsen number

クヌーセン数(Knudsen number )は、流体力学で用いられる無次元量のひとつであり、流れ場が連続体として扱えるか否かを決定するものである。

\begin{aligned}
\textrm{Kn} &= \frac {\lambda}{L}
\rightarrow \; \frac{\textrm{Mean free path length}}{\textrm{Characteristic length}}
\end{aligned}

[16] Lewis number

ルイス数(Lewis number)は、熱と物質の移動速度の比を表す無次元の物性値である。熱と物質が同時に移動するような系の解析で重要なパラメータとなる。

\begin{aligned}
\textrm{Le} &= \frac {k}{\rho c_{p} D_{AB}}= \frac {\alpha}{D_{AB}}
\rightarrow \; \frac{\textrm{Thermal diffusion}}{\textrm{Species diffusion}}
\end{aligned}

[17] Lift coefficient

揚力係数(Lift coefficient)は、揚力体によって生成される揚力を、物体の周りの流体密度、流体速度、および関連する参照領域に関連付ける無次元係数である。

\begin{aligned}
C_{L} &= \frac {F_{L}}{1/2 \rho V^{2}A}
\rightarrow \; \frac{\textrm{Lift force}}{\textrm{Dynamic force}}
\end{aligned}

[18] Mach number

マッハ数(Mach number)は、流体の流れの速さと音速との比で求まる無次元量である。 名称は、オーストリアの物理学者エルンスト・マッハ(Ernst Mach)に由来し、航空技師のヤコブ・アッケレートにより名付けられたものである。

\begin{aligned}
\textrm{Ma} &= \frac {V}{c}
\rightarrow \; \frac{\textrm{Flow speed}}{\textrm{Speed of sound}}
\end{aligned}

[19] Nusselt number

ヌセルト数(Nusselt number)はドイツの ヴィルヘルム・ヌセルトに因む無次元量で、伝熱の分野で、対流による熱伝達と流体(静止している流体)の熱伝導の比率を示す。対流が生じていなければ Nu = 1 である。

\begin{aligned}
\textrm{Nu} &= \frac {Lh}{k}
\rightarrow \; \frac{\textrm{Convection heat transfer}}{\textrm{Conduction heat transfer}}
\end{aligned}

[20] Peclet number

ペクレ数(Peclet number)は、連続体の輸送現象に関する無次元数である。流れによる物理量の移流速度の、適切な勾配により駆動される同じ量の拡散速度に対する比率と定義される。

\begin{aligned}
\textrm{Pe} &= \frac {\rho LV c_{p}}{k} = \frac {LV}{\alpha}
\rightarrow \; \frac{\textrm{Bulk heat transfer}}{\textrm{Conduction heat transfer}}
\end{aligned}

[21] Power number

パワー数(Power number, ニュートン数)は、抵抗力と慣性力を関連を示す無次元数である。

\begin{aligned}
N_{P} &= \frac {\dot {W}}{\rho D^{5} \omega^{3}}
\rightarrow \; \frac{\textrm{Power}}{\textrm{Rotational inertia}}
\end{aligned}

[22] Prandtl number

プラントル数(Prandtl number)は、熱伝導に関する無次元の物性値であり、流体の動粘度と温度拡散率の比である。

\begin{aligned}
\textrm{Pr} &= \frac {\nu}{\alpha}= \frac {\mu c_{p}}{k}
\rightarrow \; \frac{\textrm{Viscous diffusion}}{\textrm{Thermal diffusion}}
\end{aligned}

[23] Pressure coefficient

圧力係数(Pressure coefficient)は、流体の静圧を無次元で表した係数で、一様流の静圧からの変化分を一様流の動圧で割ることで得られる。

\begin{aligned}
C_{p} &= \frac {P- P_{\infty}}{1/2 \rho V^{2}}
\rightarrow \; \frac{\textrm{Surface pressure difference}}{\textrm{Dynamic pressure}}
\end{aligned}

[24] Rayleigh number

レイリー数(Rayleigh number)は、流体の自然対流による伝熱現象を特徴付ける無次元数で、浮力と熱拡散の比を表す。

\begin{aligned}
\textrm{Ra} &= \frac {g \beta | \Delta T | L^{3} \rho^{2} c_{p}}{k \mu}
\rightarrow \; \frac{\textrm{Bouyancy force}}{\textrm{Viscous force}}
\end{aligned}

[25] Reynolds number

レイノルズ数(Reynolds number)は、流体力学において慣性力と粘性力との比で定義される無次元量である。

\begin{aligned}
\textrm{Re} &= \frac {\rho VL}{\mu} = \frac {VL}{\nu} 
\rightarrow \; \frac{\textrm{Inertial force}}{\textrm{Viscous force}}
\end{aligned}

[26] Richardson number

リチャードソン数(英: Richardson number)は、浮力と慣性力の比を表す無次元量である。この値が大きい場合には自然対流による流動が支配的になる。

\begin{aligned}
\textrm{Ri} &= \frac {L^{5}g \Delta \rho}{\rho \dot V^{2}}
\rightarrow \; \frac{\textrm{Buoyancy force}}{\textrm{Inertial force}}
\end{aligned}

[27] Schmidt number

シュミット数(Schmidt number)は、流体の動粘度と拡散係数の比を表す無次元量であり、伝熱現象におけるプラントル数に対応する物性値である。

\begin{aligned}
\textrm{Sc} &= \frac {\mu}{\rho D _{AB}}= \frac {\nu}{D _{AB}}
\rightarrow \; \frac{\textrm{Viscous diffusion}}{\textrm{Species diffusion}}
\end{aligned}

[28] Sherwood number

シャーウッド数(Sherwood number) は、物質移動操作に現われる無次元量であり、次式で定義される。

\begin{aligned}
\textrm{Sh} &= \frac {VL}{D _{AB}}
\rightarrow \; \frac{\textrm{Overall mass diffusion}}{\textrm{Species diffusion}}
\end{aligned}

[29] Specific heat ratio

比熱比(Specific heat ratio)は、定圧熱容量と定積熱容量の比である。熱力学の解析に用いるのは、それぞれ1モルあたりの定圧熱容量(定圧比熱)、定積熱容量(定積比熱)の比である。

\begin{aligned}
k &= \frac {c _{p}}{c _{v}}
\rightarrow \; \frac{\textrm{Enthalpy}}{\textrm{Inertial energy}}
\end{aligned}

[30] Stanton number

スタントン数(Stanton number)は、伝熱や自然対流の問題に対して用いられる、熱伝達率と熱容量の比を表す無次元量である。 

\begin{aligned}
\textrm{St} &= \frac {h}{ \rho c_{p} V}
\rightarrow \; \frac{\textrm{Heat transfer}}{\textrm{Thermal capacity}}
\end{aligned}

[31] Stokes number

ストークス数(Stokes number)は、流体中を運動する微粒子について、流体への追従性を記述するために用いられる無次元量である。St << 1 ならば、微粒子の軌跡は流体の流線にほぼ一致すると考えて良い。

\begin{aligned}
\textrm{Stk} &= \frac {\rho _{p}D _{p}^{2}V}{18\mu L}
\rightarrow \; \frac{\textrm{Particle relaxation time}}{\textrm{Characteristic flow time}}
\end{aligned}

[32] Strouhal number

ストローハル数(Strouhal number)は、流体力学において、流れにある振動現象の周波数を表す無次元量である。 

\begin{aligned}
\textrm{St} &= \frac {fL}{V}
\rightarrow \; \frac{\textrm{Characteristic flow time}}{\textrm{Period of oscillation}}
\end{aligned}

[33] Weber number

ウェーバー数(Weber number)は、流体力学において慣性力と表面張力の比を表す無次元量である。

\begin{aligned}
\textrm{We} &= \frac {\rho V^{2}L}{\sigma _{s}}
\rightarrow \; \frac{\textrm{Inertial force}}{\textrm{Surface tension force}}
\end{aligned}


Written by Sihwan Lee
[Assistant Professor, Shinshu University]


物の単一開口部で生じる換気量は式[1]に示すよう、多重開口部で生じる換気量に1/3を掛けた値で計算可能となる。

Q = \frac {\alpha A}{3} \sqrt{\frac{2 \Delta P}{\rho}} \; \cdots \; [1]

ここで、Q [m3/s]は換気量、α [-]は流量係数、A [m2]は開口面積、ρ [kg/m3]は流体密度、ΔP [Pa]は室内外圧力差である。



[1] 計算式の証明

図1に室内温度が室外温度より高い場合、温度差によって生じる単一開口部の風速勾配を示す。ここで、高さ方向z軸を変数とした圧力勾配は式[2]により定義され、外部へ流出される気流勾配は式[3]によって定義される。

\Delta P(z) = \Delta \rho gz \; \cdot \cdot \cdot \; [2]
V(z) = \sqrt{\frac{2\Delta P(z))}{\rho }} \; \cdot \cdot \cdot \; [3]

図1. 単一開口部における風速勾配


ここで、V(z)の平均風速を計算して開口部の面積を掛けると換気量が計算できるので、平均風速を計算すると式[4]になる。

 \bar{V} = \frac{1}{(h/2)} \int_{0}^{h/2}V(z)dz = \frac{V_{max}}{(h/2)^{3/2}} \int_{0}^{h/2}z^{1/2}dz = \frac{V_{max}}{(h/2)^{3/2}} \frac{2}{3}(h/2)^{3/2} = \frac{2}{3}V_{max} \; \cdot \cdot \cdot \; [4]

式[4]に開口部面積を掛けると式[5]になり、式[1]が証明される。

Q=\alpha \frac{A}{2}\bar{V} = \frac{1}{3}\alpha A V_{max}=\frac{\alpha A}{3}\sqrt{\frac{2\Delta P}{\rho }} \; \cdot \cdot \cdot \; [5]


[2] 粘性を考慮した様々な実験式

流体の粘性と熱の影響を考慮し、様々な実験、数値解析による研究が行われ、換気量の計算式が改善されている。Brown et al.(19631[1] Brown W.G., Wilson A.G., Solvason K.R., 1963, Heat and moisture flow through openings by convection, Journal of the American Society of Heating, Refrigerating and Air-Conditioning Engineers 5, p.49-54.は、室内外の圧力が同じで、中性帶が開口部の中間に位置すると仮定し、式[6]のような数学モデルを提案した。

Q = 0.343A \left ( gH \right )^{0.5} \cdot \left [ \frac{\rho_{i}-\rho_{o}}{\rho_{avg}} \right ]^{0.5} \cdot \left [ 1-0.498\left ( \frac{b}{H} \right ) \right ] \; \cdot \cdot \cdot \; [6]

Tamm(1966)2[2] Tamm W., 1966, Kalterveluste durch kuhlraumoffnungen, Kaltetechnik-Klimatisierung 18, p.142-144.、中性の高さを再計算し、式[6]にあるρavg代わりに、ρiを用いてBrown et al.が提案した数学モデルを式[7]のように改善した。

Q = 0.333A \left ( gH \right )^{0.5} \cdot \left [ \frac{\rho_{i}-\rho_{o}}{\rho_{i}} \right ]^{0.5} \cdot \left [ \left ( \frac{2}{1+\left (\rho_{o}/\rho_{i} \right )^{0.333}} \right ) \right ]^{1.5} \; \cdot \cdot \cdot  \; [7]

Fritzsche et al.(1968)3[3] Fritzsche C., Lilienblum W., 1968, Neue messengun zur bestimmung der kalterluste an kuhlraumturen, Kaltetechnik-Klimatiserung 20, p.279-286.、ベイン風速計(vane anemometer)を使った実験により、式[8]のように補正係数Kf,Lを追加してTammが提案したモデルを改善した。ここで、補正係数Kf,Lの導出式は式[9]に示す。

Q = 0.333K_{f,L} A \left ( gH \right )^{0.5} \cdot \left [ \frac{\rho_{i}-\rho_{o}}{\rho_{i}} \right ]^{0.5} \cdot \left [ \left ( \frac{2}{1+\left (\rho_{o}/\rho_{i} \right )^{0.333}} \right ) \right ]^{1.5} \; \cdot \cdot \cdot \; [8]
K_{f,L} = 0.48 + 0.004(T_{o}-T_{i}) \; \cdot \cdot \cdot \; [9]

Fritzsche et al.が提案したモデルは、室内に入ってくる流量と室外へ抜けていく体積流量が同じであると仮定して提示された。しかし、室内に流入した気流は、室内条件によって加熱、あるいは冷却されるので、体積流量の値を用いると誤差が発生するおそれがある。Gosney et al.(1975)4[4] Gosney W.B., Olama H.A.L., 1975, Heat and enthalpy gains through cold room doorways, Proceedings of the Institute of Refrigeration 72, p.31-41.は、一定の質量流量の係数を用い、式[8]のρoiの代わりにρioを使用して式[10]のようなモデルを提案した。

Q = 0.221 A \left ( gH \right )^{0.5} \cdot \left [ \frac{\rho_{i}-\rho_{o}}{\rho_{i}} \right ]^{0.5} \cdot \left [ \left ( \frac{2}{1+\left (\rho_{i}/\rho_{o} \right )^{0.333}} \right ) \right ]^{1.5} \; \cdot \cdot \cdot \; [10]

Pham et al.(1983)5[5] Pham Q.T., Oliver D.W., 1983, Infiltration of air into cold stores. Proceedings of the 16th international Congress of Refrigeration 4, p.67-72.Tammが提案したモデルを基に、実験により開口部の換気量に関する修正係数を0.68として求め、式[11]のようなモデルを提案した。

Q = 0.226 A \left ( gH \right )^{0.5} \cdot \left [ \frac{\rho_{i}-\rho_{o}}{\rho_{i}} \right ]^{0.5} \cdot \left [ \left ( \frac{2}{1+\left (\rho_{o}/\rho_{i} \right )^{0.333}} \right ) \right ]^{1.5} \; \cdot \cdot \cdot \; [11]

以上のように、自然対流によって発生する換気量を基に、室内からの流出熱量は室内・外温度差、開口部の高さと幅によって変化する。例えば、高さ3.0 m、幅1.2 mの開口部で、室内外温度差が10 °Cの場合には、約10 kWの熱量が失われる結果となる。



[1] Brown W.G., Wilson A.G., Solvason K.R., 1963, Heat and moisture flow through openings by convection, Journal of the American Society of Heating, Refrigerating and Air-Conditioning Engineers 5, p.49-54.
[2] Tamm W., 1966, Kalterveluste durch kuhlraumoffnungen, Kaltetechnik-Klimatisierung 18, p.142-144.
[3] Fritzsche C., Lilienblum W., 1968, Neue messengun zur bestimmung der kalterluste an kuhlraumturen, Kaltetechnik-Klimatiserung 20, p.279-286.
[4] Gosney W.B., Olama H.A.L., 1975, Heat and enthalpy gains through cold room doorways, Proceedings of the Institute of Refrigeration 72, p.31-41.
[5] Pham Q.T., Oliver D.W., 1983, Infiltration of air into cold stores. Proceedings of the 16th international Congress of Refrigeration 4, p.67-72.

Written by Sihwan Lee
[Assistant Professor, Shinshu University]


物の開口部で生じる自然換気量は、下記の式[1]を用いて計算される。

Q = \alpha A\sqrt{\frac{2 \Delta P}{\rho}} \; \cdots \; [1]

ここで、Q [m3/s]は換気量、α [-]は流量係数、A [m2]は開口面積、ρ [kg/m3]は流体密度(空気の場合は、約1.2 kg/m3)、ΔP [Pa]は室内外圧力差である。

式[1]によると自然換気量は、室内外圧力差(温度差 ΔT か風力差 ΔP )に比例し、開口における圧力損失(流量係数 αの逆数)に反比例する形で計算される。以下では、流量係数 α有効開口面積 αA、温度差 ΔT、風力差 ΔP についてそれぞれ概説する。



[1] 流量係数(α

様々な開口部における流量係数を図1に示す。通常の窓は0.6~0.7程度であるが、ベルマウスでは開口部の入口に沿って気流が自然に加速することができ、縮流が生じることなく流量係数は概ね1となる。また、ルーバーの場合はその角度によって圧力損失が変わるため、角度によって異なる。

図1. 開口部における流量係数



[2] 有効開口面積(αA

有効開口面積(αA)は並列合成と直列合成に分けて計算でき、それぞれ式[5]と式[9]で計算される。


αA の並列合成

有効開口面積(αA)の並列合成は図2に示したものであり、開口部1と2の前後に作用する全圧PTa とPTb を等しいとする。

図2. αA の並列合成

Q_{1} = \alpha_{1} A_{1} \sqrt{ \frac{{2}{\Delta}{P}}{\rho} } \; \cdots \; [2]
Q_{2} = \alpha_{2} A_{2} \sqrt{ \frac{{2}{\Delta}{P}}{\rho} } \; \cdots \; [3]
Q = Q_{1}+Q_{2} = (\alpha_{1} A_{1}+\alpha_{2} A_{2}) \sqrt{ \frac{{2}{\Delta}{P}}{\rho} } \; \cdots \; [4]
\alpha A_{合} = \alpha_{1} A_{1} + \alpha_{2} A_{2}  \; \cdots \; [5]

αA の直列合成

有効開口面積(αA)の直列合成は図3に示したものであり、開口部1と2を通過する風量Q を等しいとする。

図3. αA の直列合成

Q = \alpha_{1} A_{1} \sqrt{ \frac{{2}{\Delta}{P_{a} }}{\rho} } = \alpha_{2} A_{2} \sqrt{ \frac{{2}{\Delta}{P_{b} }}{\rho} } \; \cdots \; [6]
\Delta P = \Delta P_{a} + \Delta P_{b} = \frac{1}{2} \rho \left(\frac{Q}{\alpha_{1} A_{1}} \right)^{2} +  \frac{1}{2} \rho \left(\frac{Q}{\alpha_{2} A_{2}} \right)^{2} \; \cdots \; [7]
Q =\frac{1}{\sqrt {\left(\frac{1}{\alpha_{1} A_{1}} \right)^{2} + \left(\frac{1}{\alpha_{2} A_{2}} \right)^{2}}} \sqrt{ \frac{{2}{\Delta}{P}}{\rho} }  \; \cdots \; [8]
\alpha A_{合} = \frac{1}{\sqrt {\left(\frac{1}{\alpha_{1} A_{1}} \right)^{2} + \left(\frac{1}{\alpha_{2} A_{2}} \right)^{2}}} \; \cdots \; [9]


[3] 風力換気

建物に風が吹き付けると、圧に風圧力が加算されて作用する。図4に示すように風上側に掛かって来る風圧 P1 [Pa]は、基準風速 U [m/s]と風圧係数 Cw1 [-]を用いて式[10]で計算される。

\Delta P = \left ( C_{w1}-C_{w2} \right )\frac{1}{2}\rho_{0}U^{2} \; \cdots \; [10]

ここで、ΔP [Pa]は風圧P1 [Pa]と風圧P2 [Pa]の差圧、Cw1 [-]は風上側の風圧係数、Cw2 [-]は風下側の風圧係数、ρ [kg/m3]は流体密度、U [m/s]は基準風速である。

図4. 風力による圧力差


一方、風圧係数は実測、模型を用いた風洞実験によって測定値を用いるか、それとも推定式、CFD解析などによる計算値を使う場合もある。図5、図6にAkinsら(1979)1[1] Akins, R.E., J.A. Peterka, and J.E. Cermak. 1979. Averaged pressure coefficients for rectangular buildings. Wind Engineering: Proceedings of the Fifth International Conference, vol. 7, pp. 369-380.が高層ビルを対象として行った風洞実験の壁面、屋根面の結果値を示し、図7には低層ビルに対してSwamiら(1987)2[2] Swami, M.V., and S. Chandra. 1987. Procedures for calculating natural ventilation airflow rates in buildings. Final Report FSEC-CR-163-86. Florida Solar Energy Center, Cape Canaveral.が報告した風圧係数を示す。

図5. 壁面における風圧係数(Akins et al.)

図6. 屋根面における風圧係数(Akins et al.)

図7. 壁面における風圧係数(Swami et al.)

また、Walkerら(1994)3[3] Walker, I.S., and D.J. Wilson. 1994. Practical methods for improving estimates of natural ventilation rates. Proceedings of the 15th IEA Conference of the Air Infiltration and Ventilation Centre, Buxton, U.K., pp. 517-526.は、風の風向角による風圧係数の推定式を式[11]のように提案している。

\begin{aligned}
{C}_{\textrm{p}}(\phi) = & 1/2 \{ [{{C}_{\textrm{p}}(1)}+{{C}_{\textrm{p}}(2)}](cos^{2}\phi)^{1/4}\
& +
[{{C}_{\textrm{p}}(1)}-{{C}_{\textrm{p}}(2)}](cos\phi)^{3/4} \
& +
[{{C}_{\textrm{p}}(3)}+{{C}_{\textrm{p}}(4)}](sin^{2}\phi)^{2} \
& +
[{{C}_{\textrm{p}}(3)}-{{C}_{\textrm{p}}(4)}]sin\phi \}  \
\end{aligned}
 \; \cdots \; [11]

ここで、Cp(1) は風向0°での風圧係数、Cp(2) は風向180°での風圧係数、Cp(3) は風向90°での風圧係数、Cp(4) は風向270°での風圧係数、φ は壁面に対して時計回り風向角である。



[4] 温度差換気

図8に示すように室内上下に開口部があり、室内温度が室外温度より高い場合には、室内は上昇気流が生じる。これを温度差換気と言い、その換気量は以下の式[12]で計算される。

\Delta P = \Delta \rho g h = \frac{\rho_{0} g\Delta Th}{T_{i}} \; \cdots \; [12]

ここで、ΔP [Pa]は風圧P1 [Pa]と風圧P2 [Pa]の差圧、g [m/s2]は重力加速度、h [m]は開口間の高さ、ΔT [K]は室内外温度差である。

図8. 温度差による圧力差



[1] Akins, R.E., J.A. Peterka, and J.E. Cermak. 1979. Averaged pressure coefficients for rectangular buildings. Wind Engineering: Proceedings of the Fifth International Conference, vol. 7, pp. 369-380.
[2] Swami, M.V., and S. Chandra. 1987. Procedures for calculating natural ventilation airflow rates in buildings. Final Report FSEC-CR-163-86. Florida Solar Energy Center, Cape Canaveral.
[3] Walker, I.S., and D.J. Wilson. 1994. Practical methods for improving estimates of natural ventilation rates. Proceedings of the 15th IEA Conference of the Air Infiltration and Ventilation Centre, Buxton, U.K., pp. 517-526.


Written by Sihwan Lee
[Assistant Professor, Shinshu University]


内空気と外気を交換することを換気と言う。室内汚染物質を室内空気とともに排出し、新鮮が行きを取り入れることによって室内空気の清浄度を維持することが換気の最大の目的である。室内汚染物質については、居住者の健康や快適性保持を目的として許容濃度が決められているので、濃度が許容値以下となることを目標に換気量が決められる。通常の居住環境下では、外気は十分に清浄なので、単に外気を取り入れるだけでよいが、幹線道路や工場近接などでは外気の汚染が無視できないので、取り入れる前に浄化を要する場合がある。

換気にはこのほかに、室内で居住者や燃焼器具によって消費されるO2(酸素)の供給、過剰な水蒸気を排除して室内湿度を適度に制御すること、室内の発熱を排出する排熱などの目的がある。また、大量の換気を行なうことによって夏場に建物を冷却したり、直接居住者が風を浴びて冷涼感を得る場合があり、これらを目的とした換気は、室内空気質の維持を目的とした場合と区別するために通風と呼ぶ。


 
換気
通風
漏気
英訳
Ventilation
Cross ventilation
Air leakage
目的
室内の空気を清浄に保つ
体感温度を下げ、涼感を与える
無し(すき間風)
気流の速さ
0.2 m/s以下
気流を感じない程度
1.0 m/s以上
気流を感じる
外部の風圧により変化
気流のつくり方
換気扇にて24時間の流れが作れる
窓・ドアの開放など
コントロールできない
気流の向き
居室→汚染質の向き
設計時に計画できる
人体に風が与えれば良い
気流の向きは気にしない
不明
換気回数
0.5~3.0回/h 程度
0~10回/h 程度
0~2.0回/h 程度

Written by Takashi Kurabuchi
[Professor, Tokyo University of Science]



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