エネルギー自給型モバイルハウス
2025-02-14近年、台風・集中豪雨・地震などの自然災害が頻発し、特に気候変動の影響による被害の深刻化が懸念されている。このような状況の下、持続可能で迅速に展開可能な仮設住宅の必要性が高まっている。そこで本研究では、日本における災害復興の一環として、モバイルハウスのオフグリッド電力自立の可能性を検討した。測定および数値解析を通じて、北海道や南西諸島を含む多様な気候地域において、太陽光発電(PV)パネルと蓄電池を備えたモバイルハウスの電力自給率を評価した。その結果、冷房負荷の低い地域では、冷房時間帯の電力自給率が特に高いことが確認された。また、PVパネル8枚(2400 Wp)を搭載した移動式住宅では、年間3000 kWh以上の電力を生産でき、すべての調査地域で冷暖房エネルギー需要を上回ることが可能であった。一方で、夜間など発電できない時間帯のエネルギー需要が課題となり、特に暖房負荷の高い地域では自給自足の達成が困難であることが明らかになった。
本研究は、災害時に強くエネルギー効率の高いポスト・ディザスター・ソリューションとして、オフグリッド・モバイルハウスの有効性を示すとともに、多様な気候条件に対応した断熱材や設計ガイドラインのさらなる最適化の必要性を指摘するものである。
Mobile home
Interior view
Power generation
Power consumption
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Electricity self-sufficiency of off-grid mobile homes as temporary housing: A feasibility study in Japan
Sihwan Lee, Risa Ito, and Hideyo Harada
Sustainable Cities and Society, Volume 121, 106221, p.1-15, 1 March 2025. (Print ISSN: 2210-6707, Online ISSN: 2210-6715)
Available online 14 February 2025.
https://doi.org/10.1016/j.scs.2025.106221
CiteScore: 22.0, Impact Factor: 10.5, Percentile: 99% (1/379 Civil and Structural Engineering)
Written by Sihwan Lee
[Associate Professor, Nagoya University]